再生医療だけではだめ?再生医療後のリハビリテーションの重要性
目次
再生医療の概要
近年、「再生医療」という言葉を耳にする機会が増えてきました。再生医療研究の発展により、これまで治療が困難と考えられてきた疾患の新たな選択肢として注目されています。
日本再生医療学会によれば、再生医療とは「機能障害や機能不全に陥った生体組織・臓器に対して、細胞を積極的に利用して、その機能の再生をはかるもの」とされています。
従来の医療は、傷ついた臓器や組織の状態を評価し、原因を取り除くことで症状の改善を目指していました。一方で、機能そのものが低下してしまった場合には、回復が難しいケースも少なくありません。
このような状態に対して、傷ついた細胞や組織、臓器の回復を促し、機能の改善を目指すのが再生医療で、現在基礎研究が盛んに行われつつあります。より詳細な再生医療について、幹細胞については次回お話します。
今回は再生医療投与だけではなく、その後の身体に起こる影響から「リハビリテーションの重要性」までお話します。
再生医療が身体に起こす影響
再生医療を行うと、身体の中では細胞の修復や新しい繋がり(神経・組織の再構築)を作ってくれます。
ただし、ここで重要なのは「治療=すぐに動けるように、使えるようになる」わけではないということです。身体の中で起きている変化を、実際の“動き”として引き出す過程が必要となります。
「治療しただけ」で本当に良くなるの?
再生医療によって、回復するための土台は整います。
しかし、その状態を活かせるかどうかは別の問題です。特に神経や筋肉は、適切に使わなければ十分に動くようになりません。つまり、治療後の過ごし方によって結果が大きく変わる可能性があります。
リハビリテーションが必要な理由
リハビリテーションを行う目的は、再生医療で得られた変化を「実際の動き」に結びつけ、再生医療が最大の効果を発揮できるように整えることです。
神経や筋肉は、使うことで繋がりが強くなり、機能として定着していきます。逆に使わなければ十分に活かされないまま終わってしまうこともあります。そのため、再生医療とリハビリテーションは疾患によっては切り離せない関係にあります。

例えば、神経系の再生医療では投与された細胞が神経の繋がりとなり単に存在するだけでは十分ではありません。
既存の神経回路と適切に繋がり、「情報を処理して動きに繋げる」働きを持つことが重要です。そのためには、脳から筋肉へと繋がる神経経路を再び活性化し、動作として使える状態に整える必要があります。
リハビリテーションでは、この神経の繋がりを促すために、繰り返しの動作や適切な刺激を加え、神経回路の再編成を図ります。また、電気刺激や振動刺激などを併用することで、神経の興奮性を高め、より効率的に機能回復を促すことが期待されます。
ただし。再生医療の初期段階では、無理に複雑な動作を行うよりも、神経の再構築を妨げないように、適切に段階付けたリハビリテーションを行うことが重要となります。
リハビリテーションを行うことで得られる効果
適切なリハビリを行うことで、以下のような効果が期待されます。
- 神経と筋肉の連携が高まる
- 動きのぎこちなさが改善する
- 日常生活動作の向上に繋がる
特に、繰り返しの運動や適切な刺激を加えることで、神経回路が再編され、よりスムーズな動きが可能となります。ただし、投与細胞数や投与部位の最適化については未だ明確な結論は得られていません。
再生医療後のリハビリテーションは、神経回路の再構築を促し、神経細胞の増加や神経接合の安定化、軟骨の再生などに寄与すると考えられています。再生医療とリハビリテーションを組み合わせることで、より高い機能回復が期待されます。
リハビリテーションでは、適切な運動を繰り返すことで、必要な神経回路が選択的に強化され、動作として定着していきます。
まとめ・再生医療後、リハビリテーションの重要性
再生医療は、これまでの「対処する治療」とは異なり「回復する力を引き出す医療」といえます。そして、その効果を最大限に引き出すためには、リハビリテーションが重要な役割を果たします。
「治療を受けて終わり」ではなく、その後の取り組みまで含めて初めて本来の効果が発揮されます。
当院では、その繋がりを1つの施設で行うことができ、日常生活動作からその先の本人様が望むことに寄り添い、その方独自のリハビリテーション内容を組み、自宅での自主訓練内容までサポートさせていただきます。
今後さらに発展していく分野であり、これまで選択肢が少なかった症状に対しても、新たな可能性が広がっていくと言えます。
⁂ point ⁂
- ☑ 再生医療は、傷ついた細胞や組織の修復を促し、回復の土台を整える治療です
- ☑ ただ治療を受けるだけでは、十分な機能回復につながらない場合があります
- ☑ 再生医療の力を最大限に活かし、実際の動きにつなげるには、適切なリハビリテーションが欠かせません
- ☑ 当院は、再生医療とリハビリを融合させて患者様の症状に合わせて最適な治療を実現します
監修:医療法人香華会リボーンクリニック本院(福岡市)
九州再生医療リハビリテーションチーム