コラム

COLUMN

脳卒中患者様の自宅リハビリで気を付けたいポイント!!

再生医療

脳卒中(脳梗塞・脳出血)を経験された方にとって、退院はゴールではありません。

本当のリハビリは、退院してから始まると言っても過言ではありません。

入院中はほぼ毎日リハビリを受ることができますが、退院後は通院や訪問リハビリの時間が限られます。
そのため、自宅でどのように過ごすかが、その後の回復や身体機能の維持に大きく影響します。

また、「脳の回復は半年まで」と耳にしたことがある方もいるかもしれません。
しかし現在では、適切なリハビリを継続することで、半年以降でも脳は変化し、機能改善が期待できる可能性が報告されています。

一方で、せっかく入院中に身につけた動きも、自宅で誤った身体の使い方を続けることで、動きが悪くなったり、痛みや転倒につながったりすることもあります。

「一人で続けても大丈夫かな?」
「正しくできているのかわからない。」
「どのくらい続ければいいの?」

このような不安を感じる方も少なくありません。

今回は、理学療法士の視点から、自宅リハビリを安全に続けるためのポイントをご紹介します。

まず知っておきたい!

こんな症状が出たらすぐに救急要請を!

次の症状が突然現れた場合は、様子を見ずに救急要請を検討してください。

* 顔のゆがみ
* 片手・片脚に急に力が入りにくくなった
* ろれつが回らない、言葉が出にくい

脳卒中の再発の可能性があるため、早期受診が重要です。

リハビリ中にこんな症状が出たら一度中止しましょう!

運動中や運動後に次の症状が出た場合は、無理をせず中止し、かかりつけ医へ相談しましょう。

* 強い胸の痛み
* 動悸や息苦しさ
* めまい・ふらつき
* 激しい頭痛や吐き気
* 転倒して身体を強く打った

「少し我慢すれば大丈夫」と無理を続けることは危険です。

リハビリを始める前に確認をしましょう!

*医師から運動して良いと言われている
*安静時の血圧が普段と逸脱していない
(目安:上130mmHg未満、下90mmHg未満※個別の指示がある場合はそれを優先する)

*前日の夜きちんと休息が取れた、眠れた
*めまい・発熱・強い痛みなど、普段と違う症状がない

運動前後で毎日確認を行いましょう。

少しの違和感、ちょっとした変化に気が付けるのは自分自身です。

少しなら大丈夫と過信しないように注意をしましょう。

なぜ自宅リハビリが大切なの?

近年の研究では、自宅で適切にリハビリを継続することで、

* 食事・更衣・入浴などの日常生活動作
* 歩行能力
* バランス能力
* 移動能力
* 社会参加
* 生活の質(QOL)
* 自分でも頑張れるという自信(自己効力感)

などが、病院や施設で行うリハビリと同等、あるいはそれ以上改善する可能性が報告されています。

つまり、自宅だから効果がないのではなく、「正しく続けること」が大切なのです。

自宅リハビリで多い3つのトラブル

① 転倒

転倒は骨折や再入院につながることがあります。

<対策>

* 段差をできるだけなくす
* コードやカーペットのめくれをなくす
* スリッパではなく、かかとのある室内履きを使用する
* 立って行う運動は、壁・手すり・椅子がすぐつかめる場所で行う
* 難しい運動は家族がいる時間帯に行う

② 血圧の変動

体調が悪い日に無理をすると、身体へ負担がかかります。

リハビリ前には次の項目を確認しましょう。

  •  主治医から運動許可を受けている
  •  血圧が普段より大きく高くない(目安:130/90mmHg未満※主治医の指示を優先)
  •  前日に十分睡眠がとれている
  •  発熱・めまい・強い痛みなど普段と違う症状がない

③ 関節や筋肉を痛める

「頑張れば頑張るほど良くなる」と思われがちですが、やり過ぎは逆効果になることがあります。

痛みが出た場合は、

* 回数を減らす
* 強度を下げる
* 十分休息を取る

など調整しましょう。

運動後の強い痛みや筋肉痛が翌日まで続く場合も、一度内容を見直すことをおすすめします。

自宅だからこそできるリハビリがあります!

病院では歩行練習や筋力トレーニングが中心になりますが、自宅は実際に生活する場所です。

例えば、

* 廊下を歩く
* お風呂場への出入り
* 階段の昇り降り
* 台所で立って作業をする

このような日常生活そのものがリハビリになります。

「生活の中で身体を使う」ことが、実際の生活能力向上につながります。

ただし、一人で危険な動作に挑戦することは避け、安全を第一に行いましょう。

YouTubeの運動があなたに合っているとは限りません

「脳卒中に効く運動」と紹介されている動画を参考にされる方も多くいらっしゃいます。

しかし、脳卒中の後遺症は、損傷した場所や範囲によって一人ひとり異なります。

他の方には効果があった運動でも、ご身には合わない場合があります。

また、自分一人で始めると、

* 姿勢が崩れる
* 代償動作が増える
* 間違った動きを覚えてしまう

ことも少なくありません。

まずは専門家に評価してもらい、自分に必要なリハビリを整理したうえで取り組むことが大切です。

さらに、定期的に理学療法士などの専門家に確認してもらうことで、リハビリの質を維持しやすくなります。

しかし、すべてが良くないと思わず一つの参考として閲覧することはすごく良い事です。

自分自身で試しながら最適なものを見つけ継続して行いましょう。

無理なく続けられる内容を選ぶことが回復への近道です。

「たくさんやる事」よりも「正しく続けること」を大切にしましょう。

⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻

最初は「量」より「質」を大切に!

リハビリは、たくさん行えば良いというものではありません。

まずは正しい動きで7〜8割程度成功できるレベルを目指しましょう。

その動きが安定してから回数や時間を増やしていくことで、より効率よく身体機能の改善につながります。

⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻⸻

自宅でのリハビリには、通院の合間にも継続して取り組めるという大きなメリットがあります。

  • 時間や曜日を気にせず、自分のペースで取り組める
  • 体調に合わせて運動量を調節できる
  • 移動の負担や通院にかかる時間・費用を削減できる
  • 日常生活の中で動く機会が増え、習慣化しやすい

まとめ

退院後の生活は、これからの身体づくりを左右する大切な時間です。

自宅リハビリは、時間や費用を気にせず、自分の体調に合わせて取り組める大きなメリットがあります。一方で、誤った方法を続けると、転倒や痛み、身体機能の低下につながることもあります。

「自分に合ったリハビリがわからない」「今のやり方で合っているか不安」という方は、一人で悩まず、理学療法士などの専門家へ相談することをおすすめします。

当院では、お一人おひとりの身体の状態や生活環境に合わせたリハビリをご提案し、ご自宅でも安全かつ効果的に続けられるようサポートしています。