脳溢血を正しく知る|症状・原因から治療後の暮らしまでわかりやすく
脳溢血とは?症状・原因・治療・後遺症までわかりやすく解説
脳溢血(のういっけつ)は、現在では一般的に「脳出血」と呼ばれる脳卒中の一つです。脳の血管が破れて出血し、片側の手足の麻痺や言葉の障害、意識障害などを引き起こすことがあります。
「脳梗塞とは何が違うの?」「何か前触れはあるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
ここでは、脳溢血と脳出血・脳梗塞との違いから、症状、発症時の対応、原因、出血部位による特徴まで順番に解説します。
脳溢血と脳出血は同じ病気?
現在の一般的な使われ方では、脳溢血と脳出血は基本的に同じ病態を指すと考えてよいでしょう。違いは病気そのものというより、呼び方にあります。「脳溢血」は古くから使われてきた言葉です。一方、現在の医療現場や公的な医療情報では、「脳出血」という名称が一般的に使われています。
そのため、ご家族から「以前、脳溢血で倒れたと聞いている」という場合、現在の病名では脳出血を指しているケースが多いと考えられます。ここで混同しやすいのが、「脳卒中」との違いです。
「脳卒中は」一つの病気の名前ではなく、脳の血管に異常が起こる病気の「総称」です。代表的なものには、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血があります。
関係を整理すると、次のようになります。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 脳卒中 | 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの総称 |
| 脳出血 | 脳の血管が破れて、脳内に出血する病気 |
| 脳溢血 | 現在では主に脳出血を指して使われる従来の呼び方 |
つまり、脳出血(脳溢血)は脳卒中に含まれる病気の一つと理解すると分かりやすいでしょう。
ただし、古い診療記録や日常会話では「脳溢血」という言葉がより広い意味で使われている場合もあります。過去の病歴を正確に確認する必要があるときは、診療情報や画像検査の記録を確認してください。
脳溢血と脳梗塞の違い
脳溢血(脳出血)と脳梗塞の最も大きな違いは、脳の血管が「破れる」のか、「詰まる」のかという点です。
脳出血では、血管が破れて脳内に血液が流れ出します。出血した血液が血腫と呼ばれるかたまりとなり、周囲の脳組織を圧迫することで、さまざまな症状が現れます。一方、脳梗塞は、血栓や動脈硬化などによって脳の血管が詰まり、その先の脳組織へ血液や酸素が届きにくくなる病気です。
| 比較項目 | 脳溢血(脳出血) | 脳梗塞 |
|---|---|---|
| 血管で起こること | 血管が破れる | 血管が詰まる |
| 脳への影響 | 出血や血腫によって脳組織が障害される | 血流が途絶えることで脳組織が障害される |
| 代表的な危険因子 | 高血圧など | 高血圧、動脈硬化、心房細動、糖尿病など |
| 共通してみられる症状 | 片麻痺、しびれ、言葉の障害、意識障害など | 片麻痺、しびれ、言葉の障害、意識障害など |
このように原因となる仕組みは異なりますが、現れる症状には共通点があります。
そのため、症状だけを見て一般の方が「これは脳出血」「これは脳梗塞」と判断することは困難です。どちらも突然発症することがあり、医療機関で画像検査などを行って診断します。
大切なのは病名を当てることではありません。**突然、脳卒中を疑う症状が現れたら速やかに医療につなげること**です。
- POINT -
- ● 脳出血は血管が破れる病気
- ● 脳梗塞は血管が詰まる病気
- ● どちらも脳卒中に含まれる
- ● 症状だけで脳出血と脳梗塞を判断することは難しい
脳溢血で見られる主な症状
脳溢血は、はっきりした前触れがないまま突然症状が現れることが多い病気です。どのような症状が出るかは、出血した場所や出血量によって異なります。代表的なのは、片側の手足の麻痺、顔のゆがみ、言葉の異常などです。
| 症状 | 具体的な現れ方 |
|---|---|
| 顔の異常 | 口元が下がる、顔の片側が動かしにくい |
| 手足の麻痺 | 片側の腕や脚に力が入らない、動かしにくい |
| 感覚障害 | 片側の手足がしびれる、感覚が鈍くなる |
| 言葉の異常 | ろれつが回らない、言葉が出にくい、言葉を理解しにくい |
| めまい・ふらつき | 急に立てない、まっすぐ歩きにくい |
| 頭痛・吐き気 | 急な頭痛や吐き気、嘔吐が起こることがある |
| 意識障害 | 反応が鈍くなる、呼びかけに答えにくい、意識を失う |
特に特徴的なのが、体の左右どちらか一方に異常が現れることがある点です。
例えば、右側の脳が障害されると左半身、左側の脳が障害されると右半身に麻痺や感覚障害が出ることがあります。ただし、出血部位によって症状は異なるため、必ず左右差が現れるわけではありません。
また、「脳出血なら激しい頭痛があるはず」と思われるかもしれません。しかし、すべての脳出血で強い頭痛が起こるとは限りません。出血した場所によっては、めまいや歩行障害、意識障害などが目立つこともあります。
つまり、頭痛がないから脳出血ではない、と判断することはできません。では、このような症状が突然現れたとき、どうすればよいのでしょうか。
脳溢血が疑われるときの対応
突然、顔の片側がゆがむ、片方の手足に力が入らない、ろれつが回らないといった症状が現れた場合は、脳溢血を含む脳卒中を疑い、速やかに119番へ通報してください。
「脳出血なのか脳梗塞なのか分からない」と迷う必要はありません。どちらであっても、早い段階で医療機関による診断と治療が必要だからです。
脳卒中を疑うための分かりやすい確認方法として、FAST(ファスト)があります。
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救急車を待つ間には、できる範囲で次の情報を整理しておくと診療に役立ちます。
| 確認すること | 確認する内容 |
|---|---|
| 症状が始まった時刻 | 何時ごろから異変が現れたか |
| 最後に正常だった時刻 | 発症時刻が分からない場合、最後に普段通りだった時間 |
| 症状の内容 | 麻痺、しびれ、言葉、視覚、めまい、意識などの変化 |
| 症状の変化 | 悪化した、軽くなった、一度消えたなどの経過 |
| 服用している薬 | お薬手帳や薬の袋があれば準備する |
| 持病 | 高血圧、糖尿病、不整脈、過去の脳卒中など |
特に「いつ症状が始まったか」は診療上、大切な情報です。寝ている間に発症したなど時刻が分からない場合は、**最後に普段通りだった時刻を伝えられるようにしましょう。
また、脳卒中では飲み込む機能が低下している可能性があります。食べ物や飲み物、薬などを無理に口から与えるのは避けてください。症状が一度軽くなった場合でも安心はできません。「治ったから大丈夫」と自己判断せず、速やかな医療機関での評価が必要です。
(出典:国立循環器病研究センター「脳卒中」)
- POINT -
- ● 突然の片麻痺や言葉の異常では脳卒中を疑う
- ● 脳出血か脳梗塞かを自宅で判断する必要はない
- ● FASTを参考に速やかに119番へ通報する
- ● 発症時刻または最後に正常だった時刻を確認する
- ● 食べ物や飲み物を無理に与えない
脳溢血を引き起こす主な原因
脳溢血を引き起こす原因の中で、特に大きな危険因子となるのが高血圧です。
高い血圧が長期間続くと、脳の細い血管には繰り返し強い圧力がかかります。血管壁へのダメージが蓄積すると血管がもろくなり、破れて脳出血につながることがあります。高血圧は自覚症状がほとんどないまま続くこともあります。「体調が悪くないから血圧も問題ない」とは限らないんです。
一方で、脳出血の原因は高血圧だけではありません。主な原因や関連する病気には、次のようなものがあります。
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また、塩分の多い食生活、喫煙、過度の飲酒、肥満、運動不足などは、高血圧や動脈硬化と関連し、結果として脳血管への負担につながることがあります。若い方の脳出血では、脳動静脈奇形などの血管異常が関係している場合もあります。
つまり、「脳溢血は高齢者だけがなる病気」と考えるのは適切ではありません。発症後の再発予防を考える場合も、単に血圧だけを見るのではなく、「なぜ自分に脳出血が起きたのか」を診断結果から確認することが大切です。
脳溢血の種類と出血部位
脳溢血は、脳のどこで出血が起きたかによって現れやすい症状が変わります。
脳には、運動、感覚、言語、視覚、バランス、呼吸など、それぞれ異なる働きを担う部位があります。障害される場所が異なれば、症状も同じではありません。代表的な出血部位を整理してみましょう。
| 出血部位 | 特徴 | 現れやすい症状 |
|---|---|---|
| 被殻 | 運動に関わる神経経路に近い | 片麻痺、顔の動かしにくさ、感覚障害など |
| 視床 | 感覚情報を中継する | しびれ、感覚低下、片麻痺、意識障害など |
| 橋(脳幹) | 意識、呼吸、運動などに関係する | 意識障害、呼吸障害、四肢麻痺、眼球運動の異常など |
| 小脳 | バランスや運動の調整を担う | 強いめまい、吐き気、歩行障害、後頭部痛など |
| 大脳皮質下 | 出血する場所によって影響する機能が異なる | 麻痺、感覚障害、言語障害、視野障害など |
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また、大脳皮質下出血では、出血する場所によって症状が大きく変わります。運動に関係する場所なら麻痺、言語に関係する場所なら言葉の障害、視覚に関係する場所なら視野障害などが現れる可能性があります。
このように、脳出血には一つの決まった症状があるわけではありません。出血した場所や広がりについては、CTやMRIなどの画像検査で確認します。
脳溢血の治療と後遺症・予防
脳溢血の治療は、発症直後の急性期治療だけで終わるものではありません。状態が安定した後には、後遺症に合わせたリハビリを行い、その後は再発を防ぎながら生活を整えていくことが大切です。
ここからは、検査・診断から治療、リハビリ、後遺症、再発予防まで順番に見ていきましょう。
脳溢血の検査と診断
脳溢血が疑われる場合、医療機関では症状の確認と画像検査などを組み合わせて診断します。まず、「いつ、どのような症状が起きたのか」「症状がどのように変化したのか」を確認します。そのうえで、手足の動き、感覚、言葉、意識状態などを診察し、必要な検査を行います。
代表的なのが、頭部CTやMRIです。
| 検査 | 主に確認すること |
|---|---|
| 頭部CT | 脳内の出血の有無、出血部位や広がりなどを確認する |
| MRI | 脳組織の状態や脳梗塞を含む病変を詳しく確認する |
| MRA・CT血管撮影 | 脳血管の状態や血管異常などを調べる |
| 血液検査 | 血液の凝固状態、血糖値などを確認する |
| 心電図など | 不整脈など脳卒中に関係する病気を確認する |
頭部CTは、脳内に出血があるかを短時間で確認するために用いられる代表的な検査です。一方、MRIでは脳組織の状態をより詳しく評価できます。必要に応じてMRAやCT血管撮影などを組み合わせ、血管の異常について調べることもあります。
検査の目的は、単に「脳出血かどうか」を確認するだけではありません。
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といった情報を確認し、治療方法を検討します。特に高血圧だけでは原因を説明しにくい場合や比較的若い方では、必要に応じて脳動静脈奇形などがないか詳しく調べることがあります。
何が起きたのかだけでなく、なぜ起きたのかを確認することが、その後の再発予防にもつながります。
脳溢血の治療方法
脳溢血の治療方法は、出血した場所や量、意識状態、年齢、全身状態などを踏まえて決められます。すべての方が手術を受けるわけではありません。状態に応じて、内科的治療や外科的治療が選択されます。
| 治療方法 | 主な内容 | 検討される状況 |
|---|---|---|
| 内科的治療 | 血圧管理、脳浮腫への対応、全身管理など | 手術が必要ないと判断された場合など |
| 開頭血腫除去術 | 頭蓋骨を開き、血腫を直接取り除く | 血腫による脳への圧迫が強い場合など |
| 内視鏡的血腫除去術 | 内視鏡を用いて血腫を取り除く | 出血部位や全身状態などから適応がある場合 |
内科的治療では、血圧を適切に管理しながら出血の拡大を抑えることを目指します。必要に応じて脳浮腫への対応を行い、呼吸、体温、血糖、意識状態なども継続して管理します。
抗凝固薬など血液を固まりにくくする薬を服用している場合には、薬の作用を考慮した治療が必要になることもあります。一方、血腫が脳を強く圧迫している場合などには外科的治療が検討されます。
ただし、「脳出血なら手術をした方がよい」と一律に決めることはできません。
出血部位、血腫の大きさ、意識状態、年齢、全身状態などによって、手術によって期待できる利益とリスクが異なるためです。治療方法は医師が総合的に判断します。そして、急性期治療によって状態が安定してくると、その後の機能回復を目指すリハビリへと治療の重点が移っていきます。
- POINT -
- ● 治療方法は出血部位や量、全身状態などで異なる
- ● すべての脳出血で手術を行うわけではない
- ● 内科的治療では血圧管理や全身管理などを行う
- ● 必要に応じて血腫を取り除く手術が検討される
- ● 急性期治療後はリハビリへつなげていく
脳溢血後のリハビリ
脳溢血後のリハビリは、残った症状(後遺症)に応じて身体機能や日常生活能力の回復・維持を目指すために行います。状態が許せば、急性期から必要なリハビリを検討し、回復段階に合わせて内容を変えていきます。
リハビリと聞くと「歩く練習」をイメージする方もいるでしょう。しかし、対象となるのは運動機能だけではありません。
例えば、理学療法士(PT)は立つ・歩くといった基本動作、作業療法士(OT)は食事や着替えなどの日常生活動作、言語聴覚士(ST)は言葉や飲み込みに関する機能などを支援します。
時期によって目的も変化します。
| |急性期では、病状を確認しながら身体機能の低下や合併症を防ぎ、基本的な動作を維持することを目指します。
|回復期では、立つ、歩く、手を使う、食事をする、着替えるといった日常生活に必要な能力の回復を目指して、より集中的なリハビリを行います。 |その後の生活期では、回復した機能を維持しながら、自宅での生活や社会参加につなげていきます。 |
ここで気になるのが、「いつまでリハビリを続ければよいのか」ではないでしょうか。回復の程度や速度には個人差があります。発症からの期間だけを理由に「もう何もできない」と一律に判断することは適切ではありません。
一方で、リハビリを続ければ必ず発症前と同じ状態まで戻れると保証できるものでもありません。
だからこそ、次のように生活に即した目標を設定することが大切です。
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「何ができなくなったか」だけを見るのではなく、「今できることをどう増やし、生活に生かしていくか」という視点も持ちながら進めていきます。
脳溢血で残る主な後遺症
脳溢血の後遺症は、脳のどの部分が、どの程度障害されたかによって大きく異なります。手足の麻痺のように外見から分かりやすい症状もあれば、記憶力や注意力の低下など、周囲からは気づきにくい症状もあります。
| 後遺症 | 主な症状・困りごと |
|---|---|
| 運動麻痺 | 片側の手足を動かしにくい、歩きにくい |
| 感覚障害 | しびれ、感覚の鈍さ、痛み、温度を感じにくい |
| 失語症 | 言葉を話す、理解する、読む、書くことが難しくなる |
| 構音障害 | 口や舌を動かしにくく、発音が不明瞭になる |
| 嚥下障害 | 食べ物や飲み物を飲み込みにくくなる |
| 高次脳機能障害 | 記憶、注意、判断、計画、感情の調整などが難しくなる |
| 視野・空間認知の障害 | 視野の一部が見えにくい、片側を認識しにくい |
| バランス障害 | ふらつき、立位や歩行が不安定になる |
代表的なのが、「片麻痺」や「感覚障害」です。麻痺が残ると、歩行だけでなく、食事、着替え、入浴、トイレなど、日常生活のさまざまな動作に影響します。感覚障害では、単に「触った感覚が分かりにくい」だけではありません。しびれや痛みが続いたり、熱さや冷たさを感じにくくなったりすることもあります。
また、言葉に関する障害には、失語症と構音障害があります。
| ・ 失語症では、言葉を話すことだけでなく、相手の言葉を理解する、読む、書くといった能力にも影響が出る場合があります。
・ 構音障害では、伝えたい内容や言葉は分かっていても、口や舌などをうまく動かせず、発音が不明瞭になります。 |
そして、見逃されやすいのが「高次脳機能障害」です。
例えば、次のような変化が現れることがあります。
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外見上は回復しているように見えるため、本人の努力不足や性格の変化と誤解されることもあります。脳の損傷によって生じる可能性がある症状として、家族や周囲が理解することも大切です。
もちろん、脳出血を発症したすべての方に同じ後遺症が残るわけではありません。出血した場所や量、発症時の重症度、治療までの経過などによって状態は異なります。
病名だけで将来を決めつけるのではなく、現在残っている症状を一つずつ評価することが、次のリハビリや生活支援を考える第一歩になります。
脳溢血の再発を防ぐ方法
脳溢血を一度経験した方にとって、治療後に取り組みたいことの一つが再発をできる限り防ぐことです。なかでも中心となるのが、血圧の管理です。高血圧は脳出血の代表的な危険因子であり、高い血圧が続けば脳の細い血管へ再び負担がかかります。
「退院して体調も落ち着いたから、もう大丈夫」と感じるかもしれません。ただ、血圧は体調だけでは判断できません。症状がなくても高い状態が続く場合があるため、家庭での血圧測定と定期的な受診を継続することが大切です。
再発予防では、次のような点を確認していきます。
| 再発予防のポイント | 具体的に意識すること |
|---|---|
| 血圧管理 | 家庭でも血圧を測定し、医師と目標値を確認する |
| 薬の継続 | 降圧薬などを自己判断で減量・中止しない |
| 食生活 | 塩分の多い食品や味付けを見直す |
| 禁煙 | 喫煙している場合は禁煙に取り組む |
| 飲酒 | 過度な飲酒を避ける |
| 体重・運動 | 体調に合わせて適正体重と無理のない身体活動を意識する |
| 定期受診 | 血圧や持病、薬の効果などを継続して確認する |
特に注意したいのが、処方された薬を自己判断でやめないことです。
血圧が下がっているからといって、薬が必要なくなったとは限りません。薬が効いていることで安定している可能性もあります。減量や中止を考える場合は、必ず主治医へ相談してください。また、生活習慣は一度にすべて変えようとすると続きにくいものです。
例えば、以下のように継続しやすい行動から取り組む方法もあります。
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なお、脳出血の原因が脳血管の異常や脳アミロイド血管症などであれば、必要な再発予防も変わります。自分に脳出血が起きた原因を確認し、それに合わせて血圧、薬、持病、生活習慣を継続的に管理することが大切です。
- POINT -
- ● 再発予防では血圧管理が大きな柱となる
- ● 家庭での血圧測定と定期受診を続ける
- ● 処方薬を自己判断で中止しない
- ● 食生活、禁煙、飲酒、体重なども見直す
- ● 脳出血の原因に応じた管理を続ける
脳溢血の後遺症と再生医療
脳溢血の治療やリハビリを続けても、片麻痺、しびれ、歩きにくさなどの後遺症が残ることがあります。「リハビリを続けているけれど、この先ほかに検討できることはないのだろうか」と考える方もいるでしょう。
脳卒中の後遺症に対しては、幹細胞などを用いた細胞治療について研究や当院でも実際に臨床応用を進めています。これは、患者さま、ご自身の脂肪から採取した細胞を培養し、投与する治療です。
再生医療を検討する場合には、経験と実績があるクリニックを選択し、少なくとも次の点を確認しましょう。
| 確認したいこと | 確認する内容 |
|---|---|
| 現在の状態 | どのような後遺症が残り、生活のどこに支障があるか |
| 治療の目的 | 何を目標として治療を行うのか |
| 科学的根拠 | 治療についてどのような研究やデータがあるのか |
| 期待できることと限界 | 改善の可能性だけでなく、期待できないことも説明されているか |
| リスク | 治療や細胞投与に伴う有害事象について説明があるか |
| リハビリとの関係 | 現在のリハビリを含めた治療計画になっているか |
| 費用 | 自由診療の場合の総額や追加費用を確認できるか |
| 提供体制 | 必要な法的手続きを経て提供されているか |
日本国内で再生医療等を提供する場合には、対象となる治療について再生医療等安全性確保法に基づく手続きが必要です。また検討に際しては、制度上の手続きだけではなく、治療内容、科学的根拠、期待できる可能性、限界、リスク、費用について十分な説明を受け、納得したうえで判断しましょう。
脳溢血の後遺症が長く続くと、「これ以上できることはないのでは」と感じることもあるかもしれません。そんな折に新たな選択肢として再生医療は、新たな希望をもたらす可能性があります。
今できていること、困っていること、これから目指したい生活を整理したうえで、主治医や専門医と相談しながら、自分に合った治療やリハビリの方向性を考えていきましょう。当院は多くの実績と、幹細胞治療でもっとも大切になる幹細胞の質でトップクラスです。ご相談はお気軽にお問合せください。
まとめ・脳溢血を正しく知り、発症後もできることを考えよう
脳溢血は、現在では一般的に「脳出血」と呼ばれ、脳の血管が破れて出血する脳卒中の一つです。片側の手足の麻痺やしびれ、言葉の異常、めまい、意識障害などが突然現れることがあり、発症が疑われる場合には速やかな救急対応が必要です。
また、脳溢血の大きな危険因子となるのが高血圧です。ただし、脳動静脈奇形などの血管異常や脳アミロイド血管症など、別の原因が関係する場合もあります。発症後は「なぜ脳出血が起きたのか」を確認し、原因に合わせて再発予防に取り組むことが大切です。
治療後には、片麻痺、しびれ、言語障害、高次脳機能障害などの後遺症が残ることがあります。一方で、後遺症の種類や程度、回復の経過は一人ひとり異なります。病名だけを見て将来を決めつけるのではなく、現在できること、困っていること、これから取り戻したい生活を整理しながら、リハビリを続けていきましょう。
脳溢血を経験したからといって、これからの可能性がすべて決まるわけではありません。今の状態を知ることから、次にできることが見えてきます。不安や疑問がある場合は一人で判断せず、当院をはじめ、主治医や専門医と相談しながら、これからの治療や生活について一つずつ考えていきましょう。

