コラム

COLUMN

再生医療の効果を最大限引き出すためのリハビリ!

リハビリ

近年、PRP療法や幹細胞治療などの“再生医療”が注目されています。

再生医療は、
自身の細胞や血液に含まれる成分を活用し、傷ついた組織の修復や炎症の改善を目指す治療法です。

これまで手術以外に有効な選択肢が少なかった変形性関節症やスポーツ障害、
脳卒中の後遺症などに対して新たな可能性を広げています。

しかし、再生医療は「治療を受けて終わり」というものではありません。

再生医療で整えられた組織や関節の環境を最大限活かすためには、
適切なリハビリテーションが重要です。

当院では、再生医療とリハビリを組み合わせることで、
組織の修復だけでなく、「動ける身体作り」を目指しています。

なぜ再生医療後にリハビリが必要なのか?

再生医療は、傷ついた組織の修復や関節内環境の改善を目指す治療です。

しかし、長期間痛みや麻痺が続いていた身体には、組織以外にも様々な問題が残っています。

例えば変形性関節症では、

  • 筋力の低下
  • 関節の硬さ(可動域制限)
  • 身体の使い方の癖
  • バランス能力の低下
  • 運動不足による体力低下

などがみられます。

また、脳血管障害や脊髄損傷などの神経系疾患では

  • 麻痺による筋力低下や筋委縮
  • 異常な運動パターンの学習
  • 感覚障害
  • 痙縮(筋肉のツッパリ感)
  • 代償動作の定着

などが生じています。

そのため、組織状態が改善しても、身体の使い方が変わらなければ、
本来得られるはずの効果効果を十分に発揮できないことがあります。

リハビリテーションでは、
再生医療によって整えられた環境を活かしながら、関節や筋肉、神経へ適切な刺激を与え、機能改善を目指します

これが再生医療とリハビリテーションの「相乗効果」です。

当院が考える再生医療後のリハビリテーション

当院では患者様一人一人の状態を評価し、

「何が改善を妨げているか」

を明確にしてうえで、最適なリハビリプログラムを提供しています。

痛みを軽減することだけが目的ではありません。

歩く、立つ、階段を上る、手を使うなど
患者様が本当に取り戻したい生活動作の改善を目標としています。

そのために、様々な機器や治療技術を組み合わせながらアプローチを行っています。

リハビリテーション

HAL(Hybrid Assistive Limb)

HALは、
身体を動かそうとした際に発生する生体電位信号を読み取り、動作をサポートするロボットです。
「動きたい」という脳からの指令と実際の動作を結びつけることで、効率的な運動学習を促します。

主な対象は

  • 脳卒中後
  • 脊髄損傷後
  • 神経疾患
  • 歩行障害

などの患者様に活用しています。

ヒトが身体を動かそうとすると、
脳から筋肉へ電気信号が送られます。

HALはその微弱な信号を検出し、
「動きたい」という意思に合わせて関節運動を補助します。

脳からの指令と実際の動作を一致させることで、

「動こうとする意思」→「身体が動く」→「動けたという感覚が脳へ戻る」

というサイクルを繰り返し作り出すことができます。

この繰り返しによって神経回路の再学習が促され、歩行能力や運動機能の改善が期待されます。

コンビネーション治療(超音波+電子刺激)

コンビネーション治療は、超音波と電気刺激を同時に使用する物理療法です。

1秒間に数百万回の高速振動で体の深部を温める「超音波」と、
筋肉や神経にアプローチする「電気刺激」を同時に照射する物理療法です。

つまり、超音波のマイクロマッサージ効果と電流の鎮痛作用により血行を促進し、
疼痛を鎮めることで短時間の治療が可能となります。

この2つを同時に行うことで、

  • 疼痛の軽減
  • 血流改善
  • 筋緊張の緩和
  • 組織修復の促進
  • 関節可動域の改善

などが期待できます。

通常の物理療法は筋肉の表面に刺激を与えて血流を促進させ症状を改善させますが、
コンビネーション治療は痛みの箇所を直接刺激し、筋肉の深層部まで刺激を到達させることができます。

また、各々で治療することも可能で、幹細胞治療後の超音波効果はエビデンスとして認められています。

振動刺激抑制法

振動刺激抑制法とは、
脳卒中や脊髄損傷後の麻痺による筋肉のツッパリ感(痙縮)を和らげるリハビリテーション技術です。

振動刺激には手で持つタイプや、全身で乗ることができるタイプのものがあります。
機械によって周波数(1秒間に振動する回数)が異なり、周波数によっても効果が異なります。

効果としては

  1. 痙縮の抑制
  2. 促通効果:振動を当てることで反射が起きて筋肉に収縮が入ります。これを利用して麻痺した手足の促通を図ります。
  3. 感覚入力:脳卒中後の後遺症で感覚が低下してしまうことがあります。感覚が鈍くなると運動のタイミングが合わなくなったり、力の調節が難しくなります。そんな時、振動刺激を代わりに運動のヒントとして用います。
  4. リラクゼーション効果

※痙縮とは:脳卒中等により麻痺した手足の筋肉が過剰に緊張してしまい、
手足が動きにくくなったり、勝手に動いてしまう状態のこと

電気バイブレーターの振動を対象の筋肉や腱に数分間あてることで、
筋肉の緊張を一時的に低下させ、その後の運動や歩行の練習をスムーズに行いやすくします。

促通反復療法

促通反復療法とは、
促通手技によって意図した随意運動を実現し、
それを反復することによって運動を実現するために必要な神経を再建/強化することを目的
とした手法です。

脳血管障害の後遺症で

  • 手が動かしにくい
  • 足が思うように動かない
  • 歩行が不安定
  • 細かい作業が難しい

といった症状に対して行われるリハビリ方法の一つです。

患者様が「動かしたい」と思ったタイミングで、
セラピストが適切な刺激や介助を加え、その動きを何度も繰り返し練習します。

脳から筋肉への指令を伝える神経回路を活性化し、
動きを再び学習していくことを目指した治療法です。

脳には“神経可塑性”という性質があります。

これは障害を受けたあとでも、
繰り返し練習することで新しい神経回路を作ったり、
残っている神経回路を強くしたりできる能力です。

促通反復療法では、

「動かしたい」→「正しい動きを引き出す」→「何度も繰り返す」→「脳がその動きを覚える」

という流れで、運動機能の改善を目指します。

正しい運動パターンを繰り返し行うことで、
脳と身体のつながりを強化する治療法です。
運動麻痺の改善や動作能力向上を目的として行います。
患者様一人一人の状態に合わせて反復練習を実施します。

red code

リハビリの先進国であるノルウェーで開発された
サスペンションエクササイズのパイオニアと言われています。

赤いロープを使用し、身体を部分的に支えながら運動を行うことで、
身体への負担を軽減しながら、効率的に筋肉にアプローチすることができます。

医療、予防、スポーツ、パフォーマンス向上など幅広い分野で活用されており、
お子様から高齢者、スポーツ選手、寝たきりの方、脳血管障害の方まで多くの方に使用されています。

全免荷から高負荷まで最適負荷量の無段階負荷設定が可能であるため、多くの方に幅広く使用できます。

大きな特徴としてあげられることは、優れたリラクゼーション効果です。

ロープの揺れ(スイング)による自重免荷作用により、
過剰に緊張した筋肉を和らげ、身体を自然にリラックスした状態へ導きます。

さらに、あえて不安定な環境を作ることで、
身体のバランスを保とうとする神経系を活性化します。

このトレーニングを“センサリーモータートレーニング”と呼び、

  • バランス能力の向上
  • 姿勢の改善
  • 身体の使い方の再学習
  • 運動機能の向上

が期待できます。

red codeを用いたトレーニングでは、

  • 首周囲の筋緊張の軽減
  • 肩関節を対象としたトレーニングを行うと疼痛軽減や可動域に有効的であった
  • 腰部を対象としたトレーニングでは腰椎前弯角と腰仙角に影響を与えアライメント改善へと繋がり、疼痛軽減を認め、さらに筋力やバランス機能にも良好な効果が期待できた
  • 脳卒中後患者様に対するトレーニングでは、バランス能力改善や従来のトレーニングと比較して日常生活動作の改善に優れた結果得られた

など、多くの研究報告があります。

当院では、単なるトレーニング機器としてではなく、
「正しい身体の使い方を再学習するためのリハビリツール」
として活用しています。

装具作成

脳卒中や神経疾患、整形外科疾患などによって、

  • 歩行が不安定になった
  • 足先が上がりにくい
  • 膝が折れてしまう
  • 長時間歩くと疲れやすい
  • 転倒が心配

といったお悩みを抱える方は少なくありません。

そのような方に対して、
身体の状態や生活環境に合わせたオーダーメイドの装具作成を行っています。

装具というと、「動かないように固定するもの」というイメージを持たれている方も多いかもしれません。

しかし、現在のリハビリでは、
「正しい身体の使い方を学習するためのリハビリツール」
として装具を活用しています。

適切な装具を使用することで、
身体を支えながら安全に運動野歩行練習を行うことができ、より効果的なリハビリに繋がります。

メリットとして

  • 正しい動きを学習できる
  • 関節や筋肉の負担を軽減
  • 転倒予防に繋がる

が挙げられます。

身体機能に合わせた装具を活用することで、
より効果的なリハビリを行うことができます。

上記リハビリテーション内容様々ありますが、
対象者は異なり、効果にも個人差があります。詳しくは医師・理学療法士までお気軽にご相談ください。

まとめ

再生医療は組織の修復を目指す治療であり、リハビリは身体機能の改善を目指す治療です。

どちらか一方だけではなく、両者を組み合わせることで、より高い効果が期待できます。

当院では、再生医療とリハビリテーションを組み合わせ、
一人一人の状態に合わせたオーダーメイドの治療をご提案していきます。

「治療を受けた後、どう身体を変えていくか」

その部分までサポートすることが私たちのリハビリテーションの役割です。