症例紹介

CASE

末期の変形性股関節症に幹細胞治療|痛みが10から1へ軽減した50代女性の症例

末期の変形性股関節症による強い痛みに幹細胞治療

手術以外の選択肢を求めて来院された50代女性の症例

歩くたびに左股関節へ強い痛みが走り、日常生活にも大きな支障を感じていたK様。近隣の整形外科では、変形が進行していることから手術を勧められていました。

 

  • しかしK様には、
  • 「できる限り手術は避けたい」
  • 「少しでも痛みを軽くして、自分の足で歩きたい」という強い希望がありました。

 

手術以外に検討できる治療はないかと調べるなかで再生医療を知り、当院へ相談された症例です。

 

症例概要

項目 内容
患者様 K様
年齢・性別 50代・女性
疾患名 左変形性股関節症、臼蓋形成不全
進行度 末期の変形性股関節症
主な症状 左股関節の強い痛み、歩行時痛、脚長差、骨盤周囲の痛み
画像所見 関節軟骨の減少、関節裂隙の狭小化・消失傾向、骨棘形成、骨硬化像、関節変形
ご本人の希望 手術を避け、少しでも痛みを軽減して歩きたい
治療内容 左股関節への幹細胞投与3回、PRP療法
1回の投与細胞数 5,000万個
治療後の経過 6か月後、痛みの自己評価がVAS10からVAS1へ軽減

 

来院までの経緯

歩くたびに強くなる左股関節の痛み

K様には、左股関節に顕著な変形がみられていました。股関節の変形に伴って左右の脚の長さにも差が生じ、歩行時には左股関節へ強い痛みが出ていました。

痛みがある状態で歩き続けると、症状はさらに強くなりました。

また、月に一度ほど、骨盤周囲の痛みが特に強くなる時期もあり、股関節だけでなく骨盤周辺にもつらさを感じていました。

 

日常生活に現れていた主な支障

  • ・歩き始めから股関節が痛む
  • ・長い距離を歩くことが難しい
  • ・歩くほど痛みが強くなる
  • ・脚長差によって歩き方が不安定になる
  • ・骨盤周囲にも強い痛みが出る
  • ・外出や日常動作を控えるようになる

 

K様が望んでいたのは、以前のような激しい運動ではありませんでした。まずは、痛みに耐えながらではなく、少しでも楽に歩けるようになることでした。

 

整形外科では手術を提案される

K様は近隣の整形外科を受診しました。

画像検査では股関節の変形が進んでおり、医師からは、強い痛みを改善するためには手術が主な選択肢になると説明されました。人工股関節置換術は、末期の変形性股関節症に対する標準的な治療選択肢の一つです。

一方でK様は、どうしても手術を受けることに抵抗がありました。

 

  • ・身体への負担が心配
  • ・入院や術後の生活に不安がある
  • ・可能であれば自分の関節を残したい
  • ・手術を決断する前に、ほかの方法も知りたい

 

その思いから、K様はインターネットで手術以外の治療方法について調べ始めました。そこで再生医療という選択肢を知り、当院へお問い合わせいただきました。

 

検査で確認されたのは、末期の変形性股関節症

当院では、K様のこれまでの治療歴や現在の症状を伺い、X線検査を行いました。画像では、左股関節に次のような変化が確認されました。

  • ・関節裂隙の著しい狭小化
  • ・関節裂隙の消失傾向
  • ・関節軟骨の減少を示唆する所見
  • ・骨棘の形成
  • ・骨硬化像
  • ・股関節全体の強い変形

これらの所見から、左股関節は末期の変形性股関節症に相当する状態と判断されました。

 

末期の変形性股関節症に再生医療は適応できるのか

変形性股関節症が末期まで進行している場合、人工股関節置換術が検討されることが一般的です。再生医療を行ったとしても、強く変形した骨の形を元に戻したり、失われた軟骨を完全に再生させたりできるとは限りません。

また、すべての患者様で痛みが軽減するわけではなく、十分な変化が得られない場合もあります。

当院では、K様に対して次の点を率直にご説明しました。

 

治療前に説明したこと

  • ・末期の変形を元の関節構造へ戻す治療ではないこと
  • ・幹細胞治療を受けても痛みが残る可能性があること
  • ・効果の現れ方には個人差があること
  • ・将来的に手術が必要になる可能性があること
  • ・症状によっては人工股関節手術が適していること
  • ・治療費や治療期間、リスクも含めて検討する必要があること

 

K様は、治療の可能性だけでなく限界についても理解されたうえで、

「それでも、手術を受ける前に幹細胞治療を試したい」と希望されました。

そのため、診察と画像所見を踏まえ、同意を得たうえで治療を進めることになりました。

 

当院の細胞培養・投与体制

当院には、細胞の培養・加工を行う細胞加工施設が隣接しています。

培養を終えた細胞は、凍結せず、生きた状態の細胞浮遊液として細胞加工施設からクリニックへ直接運ばれます。長距離輸送や複雑な搬送工程を介さず、培養から投与まで連携して管理できることが、当院の治療体制の特徴です。

 

当院の体制における主な特徴

  • ・細胞加工施設がクリニックに隣接
  • ・培養後の細胞を凍結せずに搬送
  • ・細胞の輸送時間や移動距離を抑えられる
  • ・少量の脂肪組織から細胞を培養
  • ・培養工程や品質を確認したうえで投与
  • ・医師と細胞加工施設が連携して治療を管理

 

脂肪由来幹細胞治療では、腹部などから採取した脂肪組織を使用します。当院では、患者様の状態によって異なりますが、米粒2~3粒程度に相当する少量の脂肪組織から細胞を採取し、治療計画に必要な細胞数まで培養しています。

細胞治療では、単に細胞数が多いことだけではなく、培養方法、細胞の状態、品質管理、輸送方法、投与までの時間などを総合的に管理することが大切です。

 

K様に行った治療

K様には、左股関節へ1回あたり5,000万個の幹細胞を投与しました。幹細胞投与は計3回行い、あわせてPRP療法も実施しました。

 

治療内容 回数・内容
幹細胞治療 左股関節へ計3回
1回あたりの細胞数 5,000万個
併用治療 PRP療法
経過確認 治療後6か月まで状態を確認

 

なぜ1回に1億個ではなく5,000万個を投与したのか

治療前、K様からは、「1億個の細胞を投与する必要はないのでしょうか」

というご質問がありました。

 

細胞治療では、細胞数が多ければ多いほど、良い結果は上がりやすいものの、股関節の関節腔は限られた空間です。

変形が強く関節裂隙が狭くなっている状態で、一度に多くの細胞浮遊液を投与すると、関節内の圧力が高まり、痛みや炎症が強くなる可能性も考慮する必要があります。

 

そのためK様には、股関節の状態を踏まえ、1回あたり5,000万個を計3回に分けて投与する方針をご説明しました。

 

投与量を決める際に考慮した点

  • ・股関節の変形の程度
  • ・関節裂隙の狭さ
  • ・関節内に投与できる容量
  • ・投与後の痛みや炎症への配慮
  • ・一度に投与する細胞数
  • ・複数回に分けて投与する必要性

 

K様にも治療方針をご理解いただき、計画に沿って3回の投与を行いました。

 

治療後の経過 痛みが10→1 へ

治療前、K様の左股関節の痛みは、VAS※で最大の「10」と評価されていました。基準として一番高い痛みです。

VASとは、患者様ご自身が感じる痛みを、痛みがない状態を0、想像できる最も強い痛みを10として表す指標です。

そんな中、幹細胞治療3回とPRP療法を行い、6か月後に経過を確認したところ、K様からは痛みが、なんと「VAS1」まで軽減したのです。

 

痛みの変化

評価時期 痛みの自己評価
治療前 VAS:10
治療6か月後 VAS:01

※VASは患者様の主観に基づく痛みの評価です。

 

痛みへの不安が減り、歩くことが楽しみに

治療前のK様は、歩くたびに強い痛みが出るため、外出や日常生活の動作を控えるようになっていました。治療後は痛みが軽減し、以前より自由に歩けるようになったと感じておられます。

 

K様が感じられた変化

  • ・歩行時の痛みが軽くなった
  • ・痛みを気にせず動ける場面が増えた
  • ・外出への不安が少なくなった
  • ・日常生活の行動範囲が広がった
  • ・治療を受けて良かったと感じている

「痛くて歩けない」という状態から、歩くことへの恐怖や不安が軽くなったことを、K様は大変喜ばれていました。

 

患者様の感想

手術を勧められていましたが、どうしてもすぐに手術を受ける決心がつきませんでした。

幹細胞治療にも、どこまで期待できるのか不安がありましたが、末期の変形では十分な効果が出ない可能性があることも含め、事前に説明していただきました。

治療後は、以前より痛みが大きく軽減し、歩くことへの不安も少なくなりました。自由に歩けることがとても嬉しく、幹細胞治療を受けて良かったと感じています。

今回の経過を踏まえ、現在はほかの部位についても治療を検討しています。

 

医師からのコメント

K様の左股関節には、関節裂隙の著しい狭小化や消失傾向、骨棘形成、骨硬化像など、末期の「変形性股関節症」に特徴的な所見が認められました。

このような進行した症例では、人工股関節置換術が有力な治療選択肢となります。

一方、K様は手術をすぐには希望されず、痛みを少しでも軽減して歩ける状態を目指したいと希望されました。

そのため、再生医療で期待できる可能性だけでなく、変形そのものを元に戻す治療ではないこと、十分な変化が得られない可能性、将来的に手術が必要になる可能性についてもご説明しました。

治療後、K様からは痛みが軽減し、歩きやすくなったとのお話をいただきました。今後も症状や歩行状態を確認し、必要に応じて整形外科的な治療を含めて検討していくことが重要です。

 

手術を勧められ、迷っている方へ

変形性股関節症が末期まで進行している場合、手術が適切な選択となることがあります。

一方で、

  • □手術を決断する前にほかの方法も知りたい
  • □保存療法では痛みが十分に軽減しない
  • □人工股関節手術に不安がある
  • □少しでも自分の関節を残したい
  • □再生医療が自分に適応するか知りたい

と考える方も少なくありません。

 

再生医療は、手術を必ず回避できる治療ではありません。

しかし、症状や画像所見、生活上の目標によっては、手術以外の選択肢として検討できる場合があります。

当院では、再生医療を強く勧めるのではなく、現在の関節の状態を確認し、保存療法や手術を含めた選択肢を整理したうえで、患者様が納得して判断できるようサポートいたします。

無理に治療をお勧めすることは一切ございません。まずはお問合せ下さい

 

監修:医療法人香華会リボーンクリニック本院

 


当院の特長:院内に隣接する細胞加工施設との連携

リボーンクリニック本院には、細胞の培養・加工を行う厚生労働省の認可得た「細胞加工施設」が隣接しています。

培養を終えた細胞は、凍結せず生きた状態の細胞浮遊液として、隣接する施設からクリニックへ直接運ばれます。細胞の加工から投与までの移動距離や時間を抑えられることは、当院の細胞治療体制における特徴の一つです。

また、脂肪由来幹細胞治療では、患者様の腹部などから採取した脂肪組織を用いて細胞を培養します。当院では、米粒2~3粒程度に相当する少量の脂肪組織から採取を行い、治療計画に応じて1億個以上の細胞数まで培養することが可能です。

 

当院の細胞培養・投与体制の特徴

  • ・細胞加工施設がクリニックに隣接している
  • ・培養後の細胞を凍結せず、投与施設まで直接運ぶ
  • ・細胞の輸送にかかる時間や距離を抑えられる
  • ・少量の脂肪採取による身体的負担の軽減に配慮している
  • ・治療計画に必要な細胞数まで培養し、品質を確認したうえで投与する

 

再生医療、中でも幹細胞治療では、投与する細胞の数は勿論ですが、培養工程や品質管理、細胞の生存率、輸送方法、投与までの時間などを総合的に管理できる経験が重要です。選択時は、豊富な実績、投与する細胞品質でお比べください。

当院では、細胞加工施設と医療現場が連携し、培養から投与まで一貫して管理できる体制を整えています。

お気軽にお問合せください。