人工関節を勧められた両膝の痛みに再生医療|正座を目指した70歳女性の症例
目次
末期の変形性膝関節症から、もう一度正座を目指して
幹細胞治療とPRP療法を受けた70歳女性の症例
両膝の痛みに悩み、好きな踊りを続けることや、正座をすることが難しくなっていたN様。
整形外科では、膝にたまった水を抜き、ヒアルロン酸注射を受けながら痛みを抑えていました。しかし、次第に注射を受けても十分な変化を感じられなくなり、人工関節手術を勧められました。
- 「できることなら手術を避けたい」
- 「自分の膝を残したまま、もう一度正座ができるようになりたい」
その思いから再生医療に行きつかれ、当院へご相談いただいた症例です。
症例概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 患者様 | N様 |
| 年齢・性別 | 70歳・女性 |
| 疾患名 | 両側変形性膝関節症 |
| 進行度 | 末期の変形性膝関節症 |
| 主な症状 | 両膝の痛み、正座困難、関節水腫 |
| 画像所見 | 関節軟骨の減少、関節裂隙の狭小化・消失傾向、骨棘形成、骨硬化像、関節変形 |
| これまでの治療 | 関節液の穿刺、ヒアルロン酸注射 |
| ご本人の希望 | 手術を避け、痛みを軽減して正座ができるようになりたい |
| 治療内容 | 両膝への幹細胞治療3回、PRP療法 |
| 治療後の経過 | 6か月後、痛みの自己評価がVAS9から0.5へ軽減し、正座が可能になったとのお話があった |
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来院までの経緯
両膝の痛みで、好きな踊りと正座が難しくなる
N様は踊りを趣味としており、日頃から身体を動かすことを楽しんでいました。しかし、両膝の痛みが次第に強くなり、膝を深く曲げる動作が難しくなっていきました。
特につらかったのが、正座ができなくなったことです。
踊りや日常生活では、膝を曲げる、しゃがむ、立ち上がるといった動作が必要になります。しかし、膝の痛みや関節の動かしにくさによって、できる動作が少しずつ制限されていました。
N様が感じていた主な症状
- ・歩行時に両膝が痛む
- ・膝を深く曲げられない
- ・正座ができない
- ・立ち上がるときに痛みが出る
- ・膝に水がたまる
- ・踊りを続けることに不安を感じる
N様が希望していたのは、単に検査上の数値を変えることではありませんでした。
もう一度、痛みを気にせず身体を動かし、正座ができる生活を取り戻すことが大きな目標でした。
ヒアルロン酸注射を続けても、痛みが軽減しにくくなっていく
N様は、まず近隣の整形外科を受診しました。
治療では、膝関節にたまった水を抜き、その後にヒアルロン酸を関節内へ注射して、痛みの軽減を図っていました。当初は治療後に症状が和らぐこともありましたが、次第にヒアルロン酸注射を受けても、十分には痛みが軽減しなくなりました。
近隣の医療機関では、膝の変形が進行していることから、今後痛みを改善するためには人工関節置換術が必要になる可能性があると説明されました。
人工関節手術を前に感じた迷い
人工膝関節置換術は、末期の変形性膝関節症に対する標準的な治療選択肢の一つです。しかし、N様は、手術を受けることに抵抗がありました。
- ・できるだけ手術を避けたい
- ・入院や術後のリハビリが心配
- ・自分の膝を可能な限り残したい
- ・踊りを続けられる方法を探したい
- ・手術を決断する前に、ほかの選択肢も知りたい
そうした思いから、N様はインターネットで手術以外の治療方法を調べ始めました。そのなかで、ご自身の細胞を用いる再生医療を知り、当院を受診されました。
検査で確認された末期の変形性膝関節症
当院では、これまでの治療歴や現在の症状を伺い、両膝のX線検査を行いました。画像では、両膝に次のような変化が確認されました。
- ・関節裂隙の著しい狭小化
- ・関節裂隙の消失傾向
- ・関節軟骨の減少を示唆する所見
- ・骨棘の形成
- ・骨硬化像
- ・膝関節の変形
これらの所見から、両膝ともに末期の変形性膝関節症に相当する状態と判断されました。
末期の「変形性膝関節症」に再生医療は適応できるのか
末期の変形性膝関節症では、人工膝関節置換術が有力な治療選択肢となります。
再生医療を行っても、強く変形した骨の形を元に戻したり、失われた軟骨を完全に再生させたりできるとは限らないからです。
また、すべての患者様で十分な痛みの軽減が得られるわけではなく、治療後も手術が必要になる場合があります。
そのため、N様には再生医療の可能性だけでなく、限界や注意点についてもご説明しました。
治療前に説明した主な内容
- ・末期の関節変形を元の状態へ戻す治療ではないこと
- ・痛みが十分に軽減しない可能性があること
- ・治療効果には個人差があること
- ・将来的に人工関節手術が必要になる可能性があること
- ・治療費や治療期間、リスクを含めて検討する必要があること
N様は説明を受けたうえで、
「手術を受ける前に、できる治療を試してみたい」と希望され、幹細胞治療とPRP療法を選択されました。
N様に行った治療
N様には、両膝へ幹細胞を投与し、あわせてPRP療法を実施しました。幹細胞治療は計3回行い、経過を確認しながら治療を進めました。
| 治療内容 | 回数・内容 |
|---|---|
| 幹細胞治療 | 両膝へ計3回投与 |
| 1回あたりの細胞数 | 片膝5,000万個、両膝合計1億個 |
| 併用治療 | PRP療法 |
| 経過確認 | 治療後6か月まで痛みや動作を評価 |
細胞数は多ければ多いほど必ず良いというものではありません。関節の状態、変形の程度、関節内へ投与できる容量などを踏まえ、患者様ごとに治療計画を検討することが重要です。
治療後の経過 痛み10→0.5へ激減
治療前、N様の膝の痛みは、VASで9と評価されていました。
VASとは、「痛みがない状態を0」、想像できる「最も強い痛みを10」として、患者様ご自身が感じる痛みの強さを表す指標です。再生医療としては幹細胞治療3回とPRP療法を行いました。
そして、6か月後に経過を確認したところ、N様からは痛みが「VAS0.5」まで軽減されていたのです。
痛みの変化
| 評価時期 | 痛みの自己評価 |
|---|---|
| 治療前 | VAS 9 |
| 治療6か月後 | VAS 0.5 |
※VASは患者様の主観に基づく痛みの評価です。
目標だった正座ができるように
治療後、N様が特に喜ばれていたのは、治療前の目標だった正座ができるようになったことでした。
正座には、膝を深く曲げる可動域だけでなく、動作中の痛みが少ないことや、座った姿勢から安全に立ち上がれることも必要です。

N様からは、次のような変化を感じているとのお話がありました。
- ・両膝の痛みが軽くなった
- ・膝を曲げやすくなった
- ・正座ができるようになった
- ・身体を動かすことへの不安が減った
- ・日常生活でできる動作が増えた
- ・治療を受けて良かったと感じている
「人工関節以外に痛みを軽くする方法はないのではないか」と諦めかけていたN様にとって、正座ができるようになったことは、単なる動作の変化以上の喜びとなりました。
患者様の感想
| 整形外科では人工関節手術を勧められ、手術以外に痛みを軽くする方法はないのではないかと、半分諦めていました。
それでも、できるだけ自分の膝を残したいと思い、再生医療について相談しました。 治療後は膝の痛みが軽くなり、できなくなっていた正座もできるようになりました。 もう一度正座ができたときは、とても嬉しかったです。 幹細胞治療を受けて良かったと感じています。今回の治療経過を踏まえ、ほかの部位についても治療を検討しています。 |
医師からのコメント
N様の両膝には、関節裂隙の著しい狭小化や消失傾向、骨棘形成、骨硬化像など、末期の変形性膝関節症に特徴的な所見が認められました。このような進行した症例では、人工膝関節置換術が重要な治療選択肢となります。
一方、N様は手術をすぐには希望されず、痛みを軽減して正座ができる状態を目指したいと希望されていました。
そのため、幹細胞治療とPRP療法について、期待できる可能性だけでなく、関節変形を元に戻す治療ではないこと、十分な変化が得られない可能性、将来的に手術が必要になる可能性についても説明しました。
治療後、N様からは痛みが軽減し、正座ができるようになったとのお話をいただきました。ただし、画像上の末期変形が改善したことを意味するものではありません。
今後も症状や歩行状態、日常生活動作を確認し、必要に応じて手術を含む整形外科的な治療について検討していくことが大切です。
正座や趣味を諦める前に、治療の選択肢を整理する
変形性膝関節症が進行すると、歩行だけでなく、正座、しゃがみ込み、階段、立ち上がりなど、日常生活のさまざまな動作が難しくなります。
次のようなお悩みがある方は、現在の膝の状態を詳しく確認することが大切です。
- ・ヒアルロン酸注射を続けても痛みが軽減しない
- ・膝に何度も水がたまる
- ・正座やしゃがみ込みができない
- ・踊りや趣味を続けることが難しい
- ・人工関節手術を勧められている
- ・手術を決める前に、ほかの選択肢も知りたい
- ・再生医療が自分に適しているか相談したい
再生医療は、人工関節手術を必ず回避できる治療ではありません。しかし、症状、画像所見、生活上の目標によっては、手術以外の治療選択肢の一つとして検討できる場合があります。
当院では、再生医療だけを勧めるのではなく、保存療法や手術を含め、それぞれの治療の特徴を整理したうえで、患者様が納得して判断できるようサポートしています。
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当院の特長:院内に隣接する細胞加工施設との連携
リボーンクリニック本院には、細胞の培養・加工を行う厚生労働省の認可得た「細胞加工施設」が隣接しています。
培養を終えた細胞は、凍結せず生きた状態の細胞浮遊液として、隣接する施設からクリニックへ直接運ばれます。細胞の加工から投与までの移動距離や時間を抑えられることは、当院の細胞治療体制における特徴の一つです。
また、脂肪由来幹細胞治療では、患者様の腹部などから採取した脂肪組織を用いて細胞を培養します。当院では、米粒2~3粒程度に相当する少量の脂肪組織から採取を行い、治療計画に応じて1億個以上の細胞数まで培養することが可能です。
当院の細胞培養・投与体制の特徴
- ・細胞加工施設がクリニックに隣接している
- ・培養後の細胞を凍結せず、投与施設まで直接運ぶ
- ・細胞の輸送にかかる時間や距離を抑えられる
- ・少量の脂肪採取による身体的負担の軽減に配慮している
- ・治療計画に必要な細胞数まで培養し、品質を確認したうえで投与する
再生医療、中でも幹細胞治療では、投与する細胞の数は勿論ですが、培養工程や品質管理、細胞の生存率、輸送方法、投与までの時間などを総合的に管理できる経験が重要です。選択時は、豊富な実績、投与する細胞品質でお比べください。
当院では、細胞加工施設と医療現場が連携し、培養から投与まで一貫して管理できる体制を整えています。