歩行が困難な状態から、家族との外出へ|変形性膝関節症(末期)の再生医療、症例
目次
30メートル歩くことも難しかった80代女性
膝の再生医療とリハビリで、ご家族との外出を目指した症例
「以前のように、自分の足で出かけたい」
変形性膝関節症による膝の痛みと不安定感から、外出時には車椅子が欠かせなくなっていたK様。手術以外の治療法を探すなかで再生医療を知り、リボーンクリニックへご相談くださいました。
治療開始から約2か月が経過した頃には、強い痛みを感じる機会が少なくなり、少しずつ歩ける距離にも変化がみられました。
現在は、ご家族と新幹線を乗り換えたり、ショッピングモールを見て回ったりすることを目指しながら、リハビリを継続されています。
症例概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 患者様 | K様 |
| 年齢・性別 | 80歳・女性 |
| 主な症状 | 変形性膝関節症による膝の痛み、不安定感 |
| 画像所見 | 関節軟骨の減少、関節裂隙の狭小化、骨棘形成、骨硬化像 |
| ご相談時の状態 | 30メートル以上続けて歩くことが難しく、外出時には車椅子を使用 |
| 治療内容 | PRP療法、脂肪由来幹細胞治療、リハビリ |
| 治療後の経過 | 自宅周辺の歩行を再開し、ご家族との外出範囲も徐々に広がった |
1.来院までの経緯
ご夫婦で旅行を楽しむことが、長年の生きがいでした
K様は、ご主人と一緒に日本各地を旅行することを、老後の楽しみにされていました。
観光地や歴史的な建造物を巡りながら、ご夫婦でさまざまな土地を訪れる生活を、数十年にわたって続けてこられたそうです。
もともとのK様は、人混みのなかでも周囲の人を追い越して歩くほど、活発で行動的な方でした。しかし、3年前にご主人が他界されてから、生活は大きく変わります。
外出する機会が少なくなり、運動量も次第に減少。加齢による身体の変化も重なり、膝に痛みを感じるようになりました。
膝の痛みで、30メートル以上歩けない状態に
膝の症状は徐々に進み、歩くと痛みを感じるだけでなく、膝の不安定感も現れるようになりました。
ご相談いただいた頃には、次のような状態になっていました。
- 30メートル以上続けて歩くことが難しい
- 外出時には息子様が車椅子を持ち歩いている
- 長い距離の移動や買い物が負担になっている
- 一人で気軽に外出する機会が減っている
- 痛みへの不安から、さらに身体を動かさなくなっている
「歩くと痛いから外に出ない。外に出ないから、さらに足の力が落ちてしまう」K様は、こうした悪循環に陥っていました。
手術を勧められたものの、別の治療法を探すことに
ご家族の勧めもあり、K様は近隣の整形外科を受診しました。
診断は、変形性膝関節症でした。
治療方法として「手術を勧められ」ましたが、K様は年齢や身体への負担を考え、手術以外の選択肢を希望されましたところ、息子様が、手術を行わずに膝の症状に向き合う方法について、インターネットで情報を探し始めました。
そのなかで再生医療を知り、当院へお問い合わせいただきました。
2.診察時の状態と医師の見解
X線画像では、変形性膝関節症の所見が確認されました
K様の右膝をX線で確認したところ、次のような変化がみられました。
- ・関節の隙間である「関節裂隙」の狭小化
- ・骨の縁にできる「骨棘」の形成
- ・骨が硬くなる「骨硬化像」
- ・骨軟骨の希薄化
- ・関節軟骨の減少
- ・膝関節の変形
これらは、変形性膝関節症でみられる代表的な画像所見です。
変形性膝関節症で起こる主な変化
| 膝に起こる変化 | 状態 |
|---|---|
| 関節軟骨の減少 | 骨の表面を覆う軟骨がすり減っている状態 |
| 関節裂隙の狭小化 | X線上で、関節の隙間が狭く見える状態 |
| 骨棘形成 | 関節の周囲に、とげ状の骨が形成される状態 |
| 骨硬化像 | 関節に負担がかかり、骨が硬くなっている状態 |
| 関節の変形 | 病状の進行に伴い、膝の形や動きに変化が生じた状態 |
痛みによる活動量の低下が、筋力低下につながっていました
K様の場合、膝に体重がかかったときの痛みによって外出の機会が減り、下肢の筋力にも低下がみられました。
膝が痛いと、どうしても歩くことを避けるようになります。しかし、身体を動かす機会が減ると、膝を支える太ももやお尻の筋肉も弱くなります。その結果、膝がさらに不安定になり、歩行時の負担が大きくなることがあります。
膝が痛む
↓
歩かなくなる
↓
筋力が低下する
↓
膝が不安定になる
↓
さらに歩くことが難しくなる
K様には、膝関節への治療だけでなく、身体の状態に合わせたリハビリを並行して行うことが重要と考えられました。
3.治療内容
K様には、診察と検査の結果を踏まえ、PRP療法と脂肪由来幹細胞治療、リハビリを組み合わせた治療をご提案しました。
治療の流れ
| 時期 | 治療内容 |
|---|---|
| 脂肪採取日 | 腹部から幹細胞のもととなる脂肪組織を採取 |
| 同日 | 両膝関節にPRPを投与 |
| 脂肪採取後 | 採取した脂肪組織から幹細胞を分離・培養 |
| 約6週間後 | 培養した幹細胞を膝関節内へ投与 |
| 治療期間中 | 身体の状態に合わせてリハビリを実施 |
脂肪由来幹細胞治療では、ご本人の腹部から採取した脂肪組織を使用します。採取した組織から幹細胞を分離・培養し、品質を確認したうえで膝関節内へ投与しました。
また、膝関節への治療だけに頼るのではなく、歩行や筋力の状態に合わせてリハビリにも取り組んでいただきました。
4.治療後の経過
約2か月後から、強い痛みを感じる機会が減少
治療を開始して約2か月が経過した頃から、K様には少しずつ変化がみられました。強い痛みを感じる機会が以前より少なくなり、ゆっくりであれば歩ける距離も伸び始めました。
まずは無理のない範囲から、自宅周辺を歩くようになりました。
以前は「痛みが出たらどうしよう」という不安から外出を控えていましたが、少しずつ歩く経験を重ねることで、行動範囲も広がっていきました。
治療後にみられた変化
- ・強い膝の痛みを感じる機会が減った
- ・ゆっくりであれば、以前より長く歩けるようになった
- ・自宅周辺を歩く機会が増えた
- ・新幹線の乗り換えができるようになった
- ・ご家族とショッピングモールを見て回れるようになった
- ・外出に対する不安が以前より軽くなった
5.現在のご様子と今後の目標
現在も、空港内のような広い施設を長時間歩き続けることは難しく、途中で休憩や移動の補助が必要になることがあります。
それでも、新幹線を乗り換えたり、ショッピングモールをご家族と見て回ったりできるようになったことは、K様にとって大きな変化となりました。
治療を受けたK様ご本人だけでなく、外出を支えてきたご家族も、その変化を大変喜ばれています。K様は現在も、より安定して歩ける状態を目指して、日々リハビリに取り組んでいます。
今後は膝の状態や生活上の目標を確認しながら、必要に応じて追加治療についても検討していく予定です。
「もう一度、自分の足で出かけたい」とお考えの方へ
変形性膝関節症の治療方法は、症状の程度、年齢、関節の変形、筋力、生活環境、持病などによって異なります。
手術が適している方がいる一方で、保存療法や再生医療を含めたほかの選択肢を検討できる場合もあります。
大切なのは、インターネット上の情報だけで治療方法を決めるのではなく、医師による診察や画像検査を受け、ご自身の膝がどのような状態にあるのかを確認することです。
当院では、現在のお悩みや生活上の目標を伺ったうえで、再生医療の適応だけでなく、期待できることや限界、考えられるリスクについてもご説明しています。
- 「手術以外の方法についても話を聞いてみたい」
- 「家族ともう一度、買い物や旅行に出かけたい」
- 「自分の膝に再生医療が適しているのか知りたい」
そのようなお悩みがある方は、まずは当院へご相談ください。
当院の特長:院内に隣接する細胞加工施設との連携
リボーンクリニック本院には、細胞の培養・加工を行う厚生労働省の認可得た「細胞加工施設」が隣接しています。
培養を終えた細胞は、凍結せず生きた状態の細胞浮遊液として、隣接する施設からクリニックへ直接運ばれます。細胞の加工から投与までの移動距離や時間を抑えられることは、当院の細胞治療体制における特徴の一つです。
また、脂肪由来幹細胞治療では、患者様の腹部などから採取した脂肪組織を用いて細胞を培養します。当院では、米粒2~3粒程度に相当する少量の脂肪組織から採取を行い、治療計画に応じて1億個以上の細胞数まで培養することが可能です。
当院の細胞培養・投与体制の特徴
・細胞加工施設がクリニックに隣接している
・培養後の細胞を凍結せず、投与施設まで直接運ぶ
・細胞の輸送にかかる時間や距離を抑えられる
・少量の脂肪採取による身体的負担の軽減に配慮している
・治療計画に必要な細胞数まで培養し、品質を確認したうえで投与する
再生医療、中でも幹細胞治療では、投与する細胞の数は勿論ですが、培養工程や品質管理、細胞の生存率、輸送方法、投与までの時間などを総合的に管理できる経験が重要です。選択時は、豊富な実績、投与する細胞品質でお比べください。
当院では、細胞加工施設と医療現場が連携し、培養から投与まで一貫して管理できる体制を整えています。