船の手入れやゴルフが難しくなった77歳男性・変形性両股関節症の再生治療の結果
船の手入れやゴルフが難しくなった77歳男性
変形性両股関節症に対して再生医療とリハビリを行った症例
「以前は普通にできていたことが、だんだんできなくなってきた」
T様は、小船の整備や掃除、ゴルフなど、身体を動かす趣味を長く楽しまれていました。
ところが、2年ほど前から股関節に痛みが現れ、船の手入れやゴルフの後に、強い痛みを感じるようになります。周囲から歩き方の変化を指摘されることも増えたことから、整形外科を受診しました。検査の結果、「変形性股関節症」と診断されました。
治療法としては手術も選択肢として説明されましたが、糖尿病があり、手術の負担や感染症リスクを考えるとなかなか決断できませんでした。
そんなことから手術以外の治療法はないものかと、探して再生医療に行きつかれたという訳です。そして、当センターへご相談くださいました。
再生医療は、新しい治療の選択肢です。
普段、身近で接することがなく、当院にお越しになる患者さまは、一般的な公的診療以外の治療法を探されて、はじめて「再生医療」という治療法をお気づきになられます。
探さずとも気軽にお問い合わせいただけるよう多くの皆様に知っていただく努力を続けていきたいと考えています。
無料のセミナーなども行っていますので、お気軽にお問合せください。
症例概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 患者様 | T様 |
| 年齢・性別 | 77歳・男性 |
| 疾患名 | 変形性両股関節症 |
| 主な症状 | 股関節の痛み、不安定感、歩き方の変化 |
| 特に痛む部位 | 右股関節を中心に、左股関節にも時折痛み |
| 画像所見 | 関節軟骨の減少、関節裂隙の狭小化、骨棘形成、骨硬化像 |
| 既往歴 | 糖尿病 |
| 治療内容 | 両股関節へのPRP療法、脂肪由来幹細胞治療、リハビリ |
| 治療後の経過 | 痛みを訴える機会が減り、船の掃除やゴルフを再開 |
1.ご来院までの経緯
船の手入れとゴルフが、生活の楽しみでした
T様は船舶を所有されておられ、定期的にご自身で整備や掃除を行っていました。また、ゴルフも長年続けており、身体を動かしながら趣味を楽しむことが、日々の充実につながっていました。
以前は、船内で身体をかがめたり、狭い場所を移動したりしても、特に痛みを感じることはありませんでした。
しかし、少しずつ股関節の動かしにくさや痛みを感じるようになります。
昔はできていた動作が、次第に難しくなりました
症状が進むにつれて、次のような変化が現れました。
- ・船の整備や掃除が以前のようにできない
- ・身体を動かすたびに股関節が痛む
- ・ゴルフの終了後に強い痛みを感じる
- ・右股関節を中心に痛みが続く
- ・左股関節にも時折痛みを感じる
- ・周囲から歩き方の変化を指摘される
ご本人は痛みを抱えながらも日常生活を続けていましたが、知人から、
「最近、歩き方が悪くなったんじゃないか」
と言われるようになり、ご自身でも身体の変化を強く意識するようになりました。
整形外科で変形性股関節症と診断
近隣の整形外科を受診したところ、変形性股関節症と診断されました。
症状や関節の状態から、将来的には手術も検討した方がよいと説明を受けました。T様は以前、膝関節にPRP療法を受けた経験があり、その際には症状の変化を感じていました。
しかし、今回は膝ではなく股関節に痛みが現れており、2年ほど前から徐々に悪化。現在では、股関節を動かすたびに痛みを感じる状態になっていました。
糖尿病があり、手術には不安がありました
右股関節の痛みが特に強かったものの、左股関節にも時折痛みがあったため、両方の股関節について治療方法を相談しました。
整形外科では、股関節の痛みに対して、
- ・痛み止めの服用
- ・リハビリ
- ・日常生活の負担を減らす
- ・手術を検討する
といった治療方法について説明を受けました。
しかし、T様には糖尿病があり、手術による身体への負担や合併症※のリスクが気がかりでした。「手術を受けた方がよいのかもしれない。でも、できれば大きな手術は避けたい」
そのような思いから、なかなか治療方針を決めることができずにいました。
※手術などの医療行為が原因(引き金)となって好ましくない別の病気、症状を引き起こすものです。特に糖尿病があると、手術後の「感染」「傷の治り」「血管(血流)」といった3つの面でトラブルが起きやすくなります。
手術以外の方法を探し、再生医療を知りました
困っていたT様がインターネットで治療法を探していたところ、再生医療について知りました。
当センターへお問い合わせいただき、治療方法、治療の流れ、期待できること、リスクや限界についてご説明しました。再生医療は、人工関節置換術のような大きな手術とは異なる日帰り、注射で完結する方法であることを知り、診察と検査を受けたうえで治療を検討されました。
十分に説明を聞いたうえで、「これなら挑戦してみたい」と治療をご決断されました。
2.診察時の状態と医師の見解
右股関節を中心に、変形性関節症の所見がみられました
X線検査では、特に右股関節に関節の変化が強くみられました。
確認された主な所見は、次のとおりです。
- ・関節裂隙の著しい狭小化
- ・関節軟骨の減少
- ・骨棘形成
- ・骨硬化像
- ・骨軟骨の希薄化
- ・股関節の可動域制限
これらの所見から、右股関節を中心とした変形性股関節症と判断されました。
変形性股関節症でみられる主な変化
| 画像所見 | 股関節の状態 |
|---|---|
| 関節軟骨の減少 | 骨の表面を覆う軟骨がすり減っている状態 |
| 関節裂隙の狭小化 | X線上で股関節の隙間が狭く見える状態 |
| 骨棘形成 | 関節の周囲に、とげ状の骨が形成される状態 |
| 骨硬化像 | 関節への負担により骨が硬くなっている状態 |
| 可動域制限 | 股関節を曲げる、開く、ひねる動きが難しい状態 |
痛みを避けて動かないことが、悪循環につながっていました
T様は、股関節を動かすと痛みが出るため、無意識のうちに痛む側をかばうようになっていました。しかし、痛みを避けて動かさなくなると、股関節周囲の筋肉が弱くなり、関節を支える力も低下します。
その結果、歩き方が崩れたり、股関節にかかる負担が偏ったりして、さらに動きにくくなることがあります。
股関節が痛む
↓
動かす機会が減る
↓
筋力が低下する
↓
歩き方が不安定になる
↓
股関節への負担が増える
T様には、股関節への治療と同時に、筋力や身体の使い方を改善するためのリハビリが重要と考えられました。
医師からのコメント
T様のX線画像では、右股関節の関節裂隙が著しく狭くなっており、骨棘形成や骨硬化像、骨軟骨の希薄化が確認されました。また、痛みによって股関節を動かす機会が減り、可動域の制限や筋力低下もみられました。
再生医療は、関節内の炎症や痛みの緩和を目指しながら、関節の動きを維持することを目的に行う治療です。ただし、すでに生じた関節の変形そのものを元の状態に戻す治療ではありません。
そのため、治療後も股関節の状態に合わせたリハビリを行い、筋力や身体の使い方を整えることが重要です。
3.治療内容
T様には、両股関節へのPRP療法と脂肪由来幹細胞治療、リハビリを組み合わせた治療を行いました。
治療の流れ
| 時期 | 治療内容 |
|---|---|
| 脂肪採取日 | 腹部から幹細胞のもととなる脂肪組織を採取 |
| 同日 | 両股関節にPRPを投与 |
| 採取後 | 脂肪組織から幹細胞を分離・培養 |
| 約6週間後 | 培養した幹細胞を両股関節へ投与 |
| 治療後 | 痛みや可動域を確認しながらリハビリを継続 |
脂肪組織の採取は、腹部に小さな切開を加えて行いました。
T様は、採取部位について、「傷跡が1センチにも満たないほど小さかった」と話されていました。
採取した脂肪組織から幹細胞を分離・培養し、約6週間後に両股関節へ投与しました。
4.治療後の経過
はじめのうちは、大きな変化を感じませんでした
治療後すぐに、T様ご自身が明確な変化を感じたわけではありません。
しばらくは、
「本当に変わっているのだろうか」と感じる期間もあったそうです。
ただし、治療前の説明で、再生医療は変化が現れるまでに時間がかかる場合があり、経過には個人差があると聞いていたため、強い不安は感じなかったと話されています。
約2か月後、周囲の言葉から変化に気づきました
治療から2か月ほど経過した頃、知人やご家族から、
「あまり痛いと言わなくなったね」と言われるようになりました。
ご本人は毎日少しずつ変化していたため、当初は自覚しにくかったものの、周囲から指摘されたことをきっかけに、ご自身でも痛みの感じ方が変わってきたことに気づき始めました。
治療後にみられた変化
- ・股関節の痛みを訴える機会が減った
- ・身体を動かすことへの不安が軽くなった
- ・船の掃除や手入れを再開できた
- ・趣味のゴルフを再び楽しめるようになった
- ・日常生活の活動量が増えた
- ・趣味を楽しむ時間が戻った
※上記はT様個人の経過であり、治療による変化の程度や現れる時期には個人差があります。
5.現在のご様子
現在、T様は再び船の掃除や整備を行い、趣味のゴルフも楽しまれています。以前は、動くたびに股関節の痛みを感じ、できることが少しずつ減っていくことに不安を抱えていました。
今では、ご自身のペースを守りながら、身体を動かす生活を取り戻されています。
T様は、現在の生活について、
「船の掃除やゴルフができるようになり、充実した毎日を送れています」と話されています。
今後も股関節の状態を確認しながら、無理のない範囲でリハビリや運動を継続していく予定です。
手術以外の治療方法を検討している方へ
変形性股関節症の治療方法は、関節の変形の程度、痛み、可動域、年齢、生活環境、持病などによって異なります。
人工股関節置換術などの手術が適している方もいれば、痛み止め、運動療法、リハビリ、再生医療などを組み合わせながら経過をみる方もいます。
再生医療は、すべての変形性股関節症に適しているわけではありません。そのため、まずは診察や画像検査を受け、現在の股関節の状態を正確に確認することが大切です。
当院では、患者様が現在困っていることや、今後どのような生活を送りたいかを伺いながら、治療の適応、期待できること、限界、リスク、費用についてご説明しています。
- 「手術を勧められたが、ほかの方法も知りたい」
- 「持病があり、手術に不安がある」
- 「もう一度、ゴルフや旅行を楽しみたい」
- 「自分の股関節に再生医療が適しているのか知りたい」
そのようなお悩みがある方は、お気軽に当院までご相談ください。
当院の特長:院内に隣接する細胞加工施設との連携
リボーンクリニック本院には、細胞の培養・加工を行う厚生労働省の認可得た「細胞加工施設」が隣接しています。
培養を終えた細胞は、凍結せず生きた状態の細胞浮遊液として、隣接する施設からクリニックへ直接運ばれます。細胞の加工から投与までの移動距離や時間を抑えられることは、当院の細胞治療体制における特徴の一つです。
また、脂肪由来幹細胞治療では、患者様の腹部などから採取した脂肪組織を用いて細胞を培養します。当院では、米粒2~3粒程度に相当する少量の脂肪組織から採取を行い、治療計画に応じて1億個以上の細胞数まで培養することが可能です。
当院の細胞培養・投与体制の特徴
- ・細胞加工施設がクリニックに隣接している
- ・培養後の細胞を凍結せず、投与施設まで直接運ぶ
- ・細胞の輸送にかかる時間や距離を抑えられる
- ・少量の脂肪採取による身体的負担の軽減に配慮している
- ・治療計画に必要な細胞数まで培養し、品質を確認したうえで投与する
再生医療、中でも幹細胞治療では、投与する細胞の数は勿論ですが、培養工程や品質管理、細胞の生存率、輸送方法、投与までの時間などを総合的に管理できる経験が重要です。選択時は、豊富な実績、投与する細胞品質でお比べください。
当院では、細胞加工施設と医療現場が連携し、培養から投与まで一貫して管理できる体制を整えています。
お気軽にお問合せください。
