症例紹介

CASE

脳出血の後遺症から「再生医療が私を救った」 復職を果たした建築デザイナー

専門知識 2023/04/06

疾患名:脳血管疾患イニシャル:H・O
年齢:53歳 
性別:女性
症状:脳血管障害の後遺症
   左片麻痺

<来院までの経緯>

7年前に都内の建設会社にて設計のお仕事をされていた既婚の53歳女性H・O様。
友人とお出かけをしていた際、急な頭痛に襲われるのと同時に、床が波を打つように見え始め、その場で立っていることが困難となり倒れております。
友人の呼びかけにも反応がなかった為、そのまま近隣の病院へ救急搬送されています。
搬送先にて検査を行った結果、脳出血と診断されております。脳出血の後遺症で左半身に麻痺を伴い座るのも困難な状態で血圧も安定してない状態でしたが、急性期病棟で約1カ月間の入院をされました。
自力にて坐位ができるようになり、血圧も服薬にてコントロールができるようになったため、回復期病棟へ移動し、集中的なリハビリを行っています。
6カ月間のリハビリを行い、金属支柱の短下肢装具と1本杖を使用し自力にて歩けるようになりましたので自宅へ退院されました。しかし、職場復帰をした際に病気になる前と比べて、右手のみでは上手く図面を描くことができず作業効率が落ちていました。また、オフィス内もスムーズに移動することできないため、周りの職員に迷惑をかけていないか、とても不安に感 じられております。
通勤に関しては、職場まで送迎を行って頂いているが、今後は迷惑をかけたくないため、自力で電車通勤を行いたいと希望がありました。そのため、麻痺の改善を目的に全国のリハビリ施設を検索し、某自費リハビリ施設に通い多少の歩行改善は認めるも、上記のような悩み改善には至りませんでした。そんな中、脳出血の後遺症を治療できる再生医療に辿り着き、当院へカウンセリングを受けに来院されました。
(※注釈 金属支柱の短下肢装具とは・・・麻痺している足の足底から下腿までを支持する構造を持ち、金属支柱付き短下肢装具とはプラスチックの装具より強固に支えることができる装具)

<医師のコメント>

H・O様は、職場復帰は行えたが、自力にて電車通勤を行うことは困難であり、付き添い、送迎が必要な状態でした。また、左腕の麻痺は強く、図面を描く際、または、パソコンを使用する際の作業効率は落ちている状態でした。
H・O様のご希望としましては、一人で電車通勤を行うこと、左手を図面の上に置き、紙を抑えることでした。これらの目標を達成するためにも脳出血の後遺症改善が必要であるため、当院で行っている脂肪由来幹細胞の治療とリハビリを開始。

H・O様の具体的な外出時のお悩みとしましては、
・電車に乗車する際の隙間が怖い
・足元ばかりを見てしまうため、駅構内で人にぶつかってしまうかが不安
・左腕に関しては、腕の動かしかたがわからないため、手を設計図の上に置けないこの3つが挙げられました。

<リハビリ>

脂肪由来幹細胞の投与を実施した翌日よりリハビリが始まりました。
リハビリ開始当日は、問診と検査を行い、現時点でのお体の状態を把握した上で、目標を3段階に設定しました。
➀自立して通勤することができる。
②図面に左腕をのせることができる。
上記の2つを達成する期間として、幹細胞治療とリハビリの期間は、3カ月間ですので目標を3段階に分割し、リハビリを実施しております。

(1)短期目標(達成期間1カ月間)
➀の目標:自立して通勤することができる
⇒足場を見なくても足と床との距離感がわかる
②の目標:設計図に左腕をのせることができる
⇒肩関節・肩胛骨・肘の動きの違いを知る必要がある

(2)長期目標(達成期間2カ月間)
➀の目標:自立して通勤することができる
⇒分回し歩行を改善する (電車へ乗車する際に左足が乗車口左側に当たってしますため)
②の目標:設計図に左腕をのせることができる
⇒腕を机の上に置く際の重心移動がうまくできるようになる

(3)最終目標
➀一人で電車に乗車できるようになる
②設計図の上に左腕を乗せることができる
上記の3段階の目標に沿ったリハビリを達成できるようにリハビリセラピスト間で話し合いながら3カ月間実施しました。
(※注釈 分回し歩行とは・・・足の麻痺によってつま先を上に上げることができないため、足と床との感覚を確保することできず、足が外回りをしてしまう状態)

<締め>

幹細胞治療は投与3回、リハビリを週3回、1回1時間実施し、現在は一人で職場に通勤されています。図面を描くお仕事 に関しても、左手で図面を抑えることで、仕事に集中することができるようになりました。その結果、作業効率が治療前と比較して大幅に改善することができ、周りに対しての不安も改善されました。今後は、キーボードを使用する際に左でも文字入力をできるようになりたい、また、お食事の際にお茶碗を持てるようになりたいといった目標達成のために、リハビリの継続を希望されました。そのため、神奈川へ帰宅され、ご自宅から近い提携先リハビリ施設をご案内致しました。
お体の状態を記載した資料をご本人様へお渡しして現在もリハビリに取り組まれています。


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