肝障害
肝障害とは
肝障害(肝機能障害)とは、肝細胞が障害され壊されてしまう状態のことを言います。原因はいくつかあり、多くの場合は健康診断による血液検査での異常値で発見されます。
肝障害の主な原因は「ウイルス性肝炎」、「アルコール性肝障害」、「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」、「薬物性肝障害」、「自己免疫性肝炎」の5つに分けられます。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、初期の段階では自覚症状が表れづらく、気付かないまま病気が進行する場合が多いです。
そのため、そのまま放置され肝硬変や肝がんへと悪化していき深刻な症状が表れ始めます。肝炎の種類によっては全身の疲労感や倦怠感、食欲不振、発熱などの風邪に似た症状が表れるのも特徴です。
肝障害の大部分は「肝炎」
肝炎の大部分は、肝炎ウイルスによる感染が原因です。 肝炎ウイルスが肝細胞に感染すると、これを対外に除外する「免疫」という反応により炎症が起こり、肝臓に集まったリンパ球がウイルスに感染している肝細胞を攻撃します。
日本では肝炎の原因として、約70%がC型肝炎ウイルス、15~20%がB型肝炎ウイルスの感染によるといわれています。 また、ウイルス感染ではなく、誤って自分の肝細胞を攻撃する「自己免疫性肝炎」というものが原因となる場合もあります。 しかし、肝炎と肝硬変の原因は、ウイルス感染や自己免疫性肝炎によるものだけではありません。 アルコールの飲みすぎや肥満、糖尿病などによって、肝細胞に脂肪が溜まる場合も肝臓に炎症が起こります。 これを「脂肪性肝炎」と呼び、慢性肝炎と同じように肝線維化が進むと肝硬変、肝がんを併発する場合もあります。
肝障害の具体的な症状
肝炎の場合
肝炎は突発的・一過性が特徴の急性肝炎、半年以上症状がおさまらない慢性肝炎、急性肝炎の中でも特殊で1週間から十日程度で死亡する可能性もある劇症肝炎の3つにまとめられます。
- 発熱、頭痛、全身の倦怠感など、風邪に似た症状
- 食欲不振
- 吐き気や嘔吐
- 黄疸
- 皮膚の発疹
あまり自覚症状はないが、食欲不振や全身の倦怠感を持つ場合もある。
初期症状は急性肝炎と変わりませんが、自覚症状が徐々にひどくなり肝性脳症と呼ばれる意識障害を引き起こす。重い合併症を伴うこと多く、治療は、救命を目的とした全身的なものになります。肝臓病の中でも死亡率がきわめて高く、70~80%の人が死亡しています。
肝硬変の場合
肝硬変は、肝臓の働きがある程度保たれている代償性肝硬変と肝臓が十分に機能しなくなった非代償性肝硬変の2つに分けられます。いずれでも種々の症状を認めますが、非代償性肝硬変では特に多くなります。
肝がんの場合
肝障害の従来の治療法
肝障害の大部分である肝炎や肝硬変がウイルスによるものであれば、肝炎ウイルスに対する薬物療法が最も重要です。 抗ウイルス薬によって肝炎ウイルスを排除したり、ウイルスの増加を抑えると肝臓の炎症は治まります。 その結果、肝線維化の進行が止まり、肝がんが発生するリスクも低下します。 また、時間はかかりますが、肝臓に溜まった線維が溶けて硬くなった肝臓が元に戻ることもあります。 抗ウイルス薬が効かない場合や使用できない場合には、肝細胞が破壊されるのを抑える薬を内服、または注射で投与する肝庇護療法を行います。 体内の鉄の量を減らす瀉血療法も肝細胞が破壊されるのを抑えるのに有効です。
自己免疫性肝炎では、免疫の力を抑えるために副腎皮質ステロイドを投与します。 また、脂肪性肝炎では、禁酒や食事療法と運動療法による体重制限が最も重要な治療法です。 これらの治療で改善しない場合は、薬物療法を行う場合もあります。
肝障害に再生医療を
取り入れると?
自己脂肪由来幹細胞治療を用いることで免疫拒絶を伴わないことが考えられます。 複数回の処置が可能で、大きな手術を必要とせず経静脈・動脈投与が可能となります。 比較的低コストで行えるなどのこれらの現状を受けて,肝移植を補う非侵襲的な治療法として自己脂肪由来幹細胞治療が期待されています。
再生医療の期待できる効果
慢性肝炎の改善(肝臓の数値の回復)
全身の倦怠感、食欲不振など肝炎に伴う風邪のような症状の改善
肝障害の進行に伴う黄疸の解消
肝障害の悪化による肝硬変や肝がんのリスクの回避
ご相談から治療の流れ
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STEP 1電話またはメールで無料相談
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STEP 2専門医による診察
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STEP 3脂肪採取
(15分ほど) -
STEP 4幹細胞培養
(4〜6週間ほど) -
STEP 5幹細胞移植
(点滴または注射で投与)