症例紹介
「もう治らない」、諦めずに治療法を探し続け、再生医療の可能性を知った、脳血管障害 後遺症の患者様が職場復帰するまでの軌跡。
- 疾患名:脳血管障害
- イニシャル:T・K
- 性別・年齢:50歳 男性
- 症状:脳血管障害の後遺症 :左手足の運動麻痺、感覚障害
<来院までの経緯>
約3年前に自宅で生活中に倒れているところを奥様が発見され、呼びかけても起きない為、異変を感じすぐに救急車を呼び、近隣の病院へ搬送されました。搬送先で検査を行った結果、脳に出血が認められ、脳出血と診断。その後奥様へ、脳出血の影響により手足の半身麻痺が脳血管障害の後遺症として残る為、もう歩いて家に帰ることはできないかもしれないと担当医師より説明がありました。そして、緊急入院の運びとなり、搬送先の急性期病棟にて約1ヶ月入院。意識は回復され、血圧のコントロールも服薬にてできるようになったため、リハビリ目的で回復期の病院へと転院されております。転院先の回復期病院にて、約半年リハビリを行い、装具や杖を使って歩いて帰宅できる状態まで回復され、自宅で生活されておりました。
退院後はどの医療機関を受診しても現在の状態を維持するだけのリハビリや対症療法を勧められる日々を送っておられました。現在休職中で半年以内には復職したいと考えておられ、仕事にいつ復帰できるのか、焦りを感じていらっしゃったT・K様。現在通われているリハビリでは順調に回復が進んだとしても、復職までに1年はかかるだろうと言われたそうです。そんな中、ご自身で治療法をネットで検索し、脳血管障害の後遺症を治療できる再生医療に辿り着き、当院へカウンセリングを受けに来院されました。
<医師からのコメント>
T・K様は、自宅での生活は送れるようになったものの、通勤や外出先での活動では誰かの介助が必要な状態でした。T・K様のご希望としては、半年以内に一人で外出できるようになり復職するということでしたので、復職を治療の最終目標に設定しました。最終目標達成の為に、脳血管障害後遺症の改善を目的に自己治癒能力を最大限に高める脂肪由来幹細胞治療とリハビリを勧めております。
T・K様の具体的な外出時のお悩みとしましては、
・横断歩道を信号が変わる前に渡りきれない
・階段の昇り降りが一人でできない
この2つが挙げられました。
<リハビリ>
リハビリの方では、どうすれば患者様のお悩みを解決できるかを判断するために、現在T・K様の運動機能・動作能力の評価を行いました。
悩みをどうすれば解決できるか評価を行った結果、
1.麻痺側の足をスムーズに前に出せるようになる
2.階段の昇るときに麻痺側の足を段差まで上げられるようになる
3.階段を降りる時に麻痺側の足で体を支えられるようになる
上記3つを目標に、①では麻痺側の足を前に出すための身体の使い方、その時の反対側の足のバランスの取り方を中心に練習しました。②③は①で行った訓練に加え足の筋力増強訓練も併せて実施しました。このようなリハビリ内容を、週3回で投与期間中の3ヶ月間リハビリを実施しました。
<締め>
幹細胞投与3回行い、3ヶ月が経過。現在は、今までの装具を使用した状態で、杖は使用せずに一人で横断歩道を渡りきれることが可能となりました。階段昇降も手すりを使って一人でできるようになりました。治療開始から3ヶ月、一人で外出できるようになった今、次は復職に向けさらなる能力向上を目的に幹細胞投与の追加をご検討頂いております。